【クアラルンプール時事】化学品の輸出入と製造を手掛けるハイケム(東京都港区)は22日、マレーシア・サラワク州の大手バス運行会社ビアラマス・エクスプレスと燃料電池バスの導入、推進に向けて覚書を締結したと発表した。

 サラワク州には豊富な水力資源を活用した水力発電所が稼働しており、二酸化炭素を排出しないグリーン水素製造に大きな可能性がある。直近では水素燃料供給施設の試験運用や水素を燃料とする公共交通機関の導入などが積極的に進められているという。

 ハイケムは、ビアラマスの地域バスにグリーン水素製造や水素輸送の技術を提供し、環境に優しい交通手段として燃料電池バスの導入を支援する。「州の持続可能かつ脱炭素化を目指す交通システム実現に向けた重要な一歩になる」と説明した。

 ハイケムは5月、サラワク州政府系企業サラワク・ペトケムと協力覚書を締結。ハイケムが持つ合成ガスからエチレングリコールを製造する技術を活用し、州の石油化学工業団地プラントを開発・建設を計画している。(了) (記事提供元=時事通信社) (2025/08/22-15:30)