稲村隼翔 写真:Getty Images

 アルビレックス新潟からセルティックへ完全移籍したDF稲村隼翔は、8月23日のスコットランド1部リーグ第3節・リヴィングストン戦で新天地デビュー。チームが3-0と勝利したこともあり、同選手のパフォーマンス自体は高く評価されているものの、依然として期限付き移籍の可能性があるとみられる。

 稲村は本職のセンターバックではなく左サイドバックでポジション争いを展開。アーセナルやレアル・ソシエダでプレーしていたDFキーラン・ティアニーが主力選手として君臨し、DFリアム・スケールズも控える中、リヴィングストン戦では同ポジションでフル出場。安定感抜群のパフォーマンスで、クリーンシート達成に大きく貢献している。

 現地メディア『stv』が伝えたところによると、ブレンダン・ロジャーズ監督は稲村のパフォーマンスについて「75~80%の力で試合を支配し、それを継続することができる。よくやったと思う」と評価。それでも「彼を期限付き移籍させるか、それともここに残して出場時間を与えるか、バランスを取ることが重要だ」と、同時に武者修行の可能性を示唆。左サイドバックでの序列アップには繋がっていないとみられる。

 稲村の去就を巡っては、以前から期限付き移籍の可能性が取りざたされているが、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)の登録メンバーから外れると、ロジャーズ監督は21日に「(稲村を今季の構想から外した決断は)とても簡単だった。彼はまだ私が期待するレベルに達していない」とコメント。「彼に関しては、ここに来てトレーニングをして、どこまでできるかを見極めるという計画だった。まだプロサッカー選手としての経験が1年ちょっとしかないので、ローン移籍の可能性も視野に入れている」と、すでに放出の可能性を示唆している。

 そのセルティックは21日に行われたCLプレーオフ1stレグで、格下のカザフスタン1部カイラトに0-0で引き分け。予選敗退の可能性がある中、27日に2ndレグを控えているだけに、ロジャーズ監督はリヴィングストン戦での大幅なターンオーバーに踏み切った格好だ。また、2ndレグで敗れて予選敗退となれば、さらなる人員整理は必至。当然ながら、稲村が対象になる可能性は十分ある。