借金大王になる人は奇妙な心の歪みを抱えていました。
シンガポール国立大学(NUS)で行われた研究によれば、月収の12倍を超えるクレジットカード負債をかかえている人は、なぜか自分の自制心に高い自信を持つ傾向にあるとのこと。
クレジットカードの借金が膨らむような人、自制心が乏しいハズなのですが、本人はむしろ自分のことを「自制心が強い人間」であると考えていたのです。
しかし、いったいどうして借金大王は自らの自制心を過大評価してしまうのでしょうか?
研究内容の詳細は『Journal of Personality』にて掲載されています。
目次
- クレカの借金で苦しんでいる人ほど自分の「自制心が高い」と考えている
- 主観と客観の乖離は精神的な歪みが原因
クレカの借金で苦しんでいる人ほど自分の「自制心が高い」と考えている

クレジットカードは「今ここ」にお金がなくても、買い物ができてしまう非常に便利なカードです。
そのためしばしば、自分の支払い能力を超過するような衝動的な買い物に走ってしまう人も現れます。
これまでの研究では、クレジットカードの借金に苦しむのは主に「病的な自制心の欠如」が原因であることが示されています。
自分の支払い能力を超える買い物を「したい」と思う心が「してはいけない」と自制する心を上回ってしまえば、借金大王にならざるを得ません。
一方で、クレジットカードの借金に苦しむ本人が、自らの自制心をどう評価しているか(本人の主観)については、ほとんど研究されていませんでした。
既に数々の研究で、借金地獄に陥ってしまう人たちは自制心が欠如していることが判明しているため、本人の自己評価についてはあまり重要視されてこなかったのです。
しかし、本人が自らの自制心のなさを自覚した状態と自覚していない状態では、大きな違いがあります。