清水エスパルス 写真:Getty Images

 日本生まれのペルー代表MFノリエガ・エリックは8月22日、ペルー1部アリアンサ・リマからブラジル1部グレミオへ移籍。清水エスパルス、町田ゼルビアに連帯貢献金が支払われるが、選手本人は日本での経験を前向きに捉えているようだ。

 現在23歳のエリックは、愛知県出身。中学3年生時に再来日し、2020年から清水のトップチームへ昇格。同年7月に町田へ期限付き移籍すると、J2リーグで7試合に出場していた。ただ、清水復帰で迎えた2年目は、公式戦1試合の出場にとどまり、2021シーズン終了後に契約満了を告げられている。

 日本で目立った結果を残せなかったエリックだが、ブラジル『ge』が22日に伝えたところによると、本人はグレミオ加入会見で「日本での経験が、僕のキャリアを前進させる上でかなり力になっていると思う」とコメント。「ペルーに4年間住んでいたので、ブラジルの環境に慣れるのは大変だが、不可能ではない。(異国でのプレーは)日本で経験済みだし、家族も一緒なので、大丈夫だと思う」と、清水や町田でのプレー経験が活きていることを強調したという。

 また、エリックは「代理人と妻と話していたけど、こんなに早く物事が進むとは思っていなかった」と、グレミオ移籍の過程の一部を明かすと、「2年前は2部リーグでプレーしていたし、3年前は叔父と一緒に仕事をしていて、サッカーをしていなかった。今日、伝統のあるビッグクラブにいることがとても嬉しい」と喜びをあらわにしたという。

 グレミオはエリックと2028年末までの複数年契約を結んでいるが、同選手の保有権の80%を取得した模様。移籍金は200万ユーロ(約3億4,500万円)とみられるが、ドイツの移籍専門サイト『トランスファーマルクト』によると、清水に4万6,000ユーロ(約790万円)、町田に1万ユーロ(約170万円)の連帯貢献金が支払われる見込みだ。U19日本代表に選出されたものの、2024年にペルーのA代表でデビューした逸材の今後に注目が集まる。