古橋亨梧 写真:Getty Images

 スコティッシュ・プレミアシップのセルティックの攻撃陣が不振に陥っている。特に前線の得点力不足が顕著で、試合内容に工夫を欠いているとの指摘が絶えない。UEFAチャンピオンズリーグ出場権がかかる戦いを前に、安定したゴールスコアラーの必要性が浮き彫りになっている。

 スコットランドメディア『Celts Are Here』は、この状況に対して、かつてセルティックの主力ストライカーとして2000年代初頭に活躍したジョン・ハートソン氏(2006年引退)が苦言を呈したと報じた。

 同報道によると、ハートソン氏は日本代表FW古橋亨梧(バーミンガム・シティ)の1月のリーグ・アンのスタッド・レンヌへの移籍について「大きな賭けであり、間違いだった」と自身のXで発言。1月に去った古橋の不在が、いまだにセルティックの攻撃力低下を招いていると強調した。

 昨2024年夏に900万ポンド(約18億円)で、セルティックへ完全移籍したFWアダム・イダが前線を担っているが、ハートソン氏は、イダが古橋の穴を埋めていないと指摘。クラブが資金面での投資を理由にイダを優先起用した姿勢を批判した。

 同氏は「古橋は毎週起用すべき一流のストライカーで、まさにゴールマシーンだった。彼が出場機会に不満を募らせたことが移籍につながった」と述べ、起用方針の誤りが退団を招いたと示唆している。

 ハートソン氏の発言はサポーターの声とも重なる。古橋は一貫して得点を重ね、巧みな動きで接戦を決定づける存在だった。それにもかかわらず、セルティックは早すぎる放出に踏み切り、攻撃の柱を失った。クラブがサッカー的判断ではなくビジネス的判断を優先したとする見方はファンの間でも強い反発を招いており、成績低迷の一因とみなされている。

 古橋の移籍後、代わりを務められる選手は未だに現れていない。イダは依然として前線に立ち続けているが、調子は不安定でチームの攻撃は停滞したままだ。ハートソン氏の言葉どおり、得点力不足の現状が「大きな賭けと誤り」の代償を示しているのかもしれない。