高性能な光学顕微鏡と電子顕微鏡による分析の結果、この隕石はLow Metal (L) ordinary Chondrite(低金属量の普通コンドライト)であることが判明しました。

普通コンドライトは、太陽系内に存在する隕石の中でも最も一般的なタイプです。

しかし今回の隕石が特異なのは、その年代です。

分析の結果、この物質はなんと45億6000万年前に形成されたものであり、これは地球より古いとされます。

さらに起源をたどると、この隕石は約4億7000万年前、火星と木星の間に広がる小惑星帯にて発生した大規模な天体衝突により飛び出した破片と見られています。

その後、長い年月を経て軌道を変え、ついには人間の生活空間にまでたどり着いたのです。

「マクドノー隕石」と命名!科学的意義と未来への教訓

このような隕石は、単なる”珍しい自然現象”として片付けられるものではありません。

スコット・ハリス氏が強調するのは、こうした実際に地球に届いた隕石を詳細に分析することで、将来的に地球に接近する可能性のあるより大きな天体への備えが可能になるという点です。

今回の小さな隕石は、ジョージア州で記録された27例目の隕石であり、実際に落下が目撃されたのは6件目という極めて珍しい事例です。

発見された地域の地名にちなんで「マクドノー隕石(McDonough Meteorite)」と名付けられました。

現在、ジョージア大学とアリゾナ州立大学が共同で、正式な登録申請を進めています。

また、隕石の一部はカータースビルのテルス科学博物館(Tellus Science Museum)にて展示される予定であり、残りは研究用途として大学に保存されます。

こうした分析・保存・展示は、隕石という存在を「過去の物語」ではなく、「未来を守るためのヒント」として活かすための重要なステップです。

ハリス氏は次のように述べています。

いつか、本当に巨大なものが地球に接近して、壊滅的な状況を引き起こすかもしれません。