2025年7月26日、台湾では最大野党・国民党の「親中派」議員24人を対象としたリコール投票が実施されましたが、すべての選挙区で否決されました。与党・民進党が市民団体と連携して展開したこの市民運動は、立法院の「ねじれ状態」を解消し、頼清徳政権の安定化を図ることを目的としていましたが、結果としては政権にとっての逆風となりました。

さらに政権を揺るがす事態として、台湾軍の内部で中国共産党によるスパイ活動が摘発されております。国家安全局の発表によりますと、2020年以降に起訴されたスパイ事件は159件に上り、その約6割が現役または退役軍人であるとされています。今年に入ってからは、軍事安全総隊の増員や機密資格認証制度の導入など、防諜体制の強化が急速に進められております。

こうした摘発の影響は政権中枢にも及んでおります。複数の閣僚がスパイ事件との関係を疑われており、野党やメディアからは辞任を求める声が高まっております。頼総統は国家安全17条を発表し、中国による浸透工作に対抗する姿勢を鮮明に示しましたが、国民の間では不信感が依然として残っております。