昨日15日から、中国の北部全域を覆う黄砂が発生し、首都・北京はまるで世紀末の様相を呈しています。
街は高濃度の砂塵に埋もれており、中国気象当局は「過去10年で最大規模の黄砂」と発表しました。
本日午後から日本への飛来も予報されており、外出には注意が必要です。
原因はモンゴルで発生した砂嵐
黄砂は、中央アジアのタクラマカン砂漠や、中国・モンゴルに広がるゴビ砂漠の砂塵が、強風によって数千メートルの高さまで巻き上がり、そこから偏西風にのって中国や日本へと飛来、降下する現象です。
よく似たものに「PM2.5」がありますが、こちらは砂ではなく、都市部で発生した有害な微粒子です。
そのため、PM2.5は地上近くを浮遊しますが、標高の高い中央アジアの砂漠から発生した黄砂は上空を飛来して遠くまで運ばれます。
さらに、PM2.5より粒が大きくて重いので、地上に落下しやすいのが特徴です。
中国の気象当局によると、今回の黄砂は、14日にモンゴルで発生した強い砂嵐が原因とのこと。
その日は、東アジアの内陸を中心とした強い寒気が発生しており、気圧の大きく異なる低気圧と高気圧が接することで強風が吹き荒れていました。
モンゴルでは猛烈な砂嵐の影響で、6人が死亡、341人が行方不明となっています。
この砂嵐が15日の早朝にかけて、中国北部を襲いました。
首都・北京の市街は濃霧のような砂塵に覆われ、飛行機も約400便のフライトが欠航されました。
これほど高濃度になった原因については、モンゴル方面だけでなく、中東域の砂漠に由来する砂が混ざったことによると見られています。
黄砂は現在も東進を続けており、本日16日の午後から日本海側を中心に飛来する見込みです。
外出の際のマスクや洗濯物、車などの汚れに注意が必要でしょう。
参考文献
Orange veil of dust chokes Beijing in record-breaking sandstorm
元論文
Beijing skies turn orange as sandstorm and pollution send readings off the scale
提供元・ナゾロジー
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