対してイカは、一度はボトムを取って狙っていくが、どんなレンジにいるかわからないので着き場所を特定するまでレンジを何度もサーチする必要がある。アオリイカを狙うアクションは、エギを左右にはねさせるような独特のもので、ラインスラックを弾くように竿をしゃくるものだ。
筆者が以前地方の方から聞いた話だが、昔、まだイカがエギを見慣れていない頃は、ただ巻きでも釣れたという。それがダーティングさせた方がだんだんとよく釣れるようになっていき、今では全国的にそれが普及したらしい。

墨にも違いあり
ここまでは釣り人視点でタコとイカの違いを見てきた。もう少し一般的なところに話を戻そう。
みなさんは、こんなことを考えたことがないだろうか?「なぜイカ墨パスタはあるのに、タコ墨パスタはないのだろうか」と。実はこれには、ちゃんとした理由がある。
それは、「粘度」。イカ墨に比べてタコ墨は粘度が低くサラサラしている。粘度が低いことで料理に絡みにくく、不向きだとされているのだ。
タコもイカも捕食者から逃げるときに墨を吐くが、その墨を何に見せるかが違う。イカ墨は分身、タコ墨は煙幕として使用される。

夏から秋は軟体類の季節
これから秋にかけて、タコとイカという釣り物がにぎわってくる。実は先日筆者も垂水漁港で小さなタコをしとめることができた。まったく狙いでも何でもないメタルジグに乗ってきたのだ。タコにはこういうことがある。以前は加太でパワーイソメでタコを釣ったこともある。どうもヘンな生き物である。
対してイカはといえば、まずエギ以外で釣ることは難しい。エギングは人気の釣りで、今は女性釣り人人口も上昇中らしい。この夏から秋にかけて海釣りデビューしようという方にはおすすめの釣りだ。
<井上海生/TSURINEWSライター>