クロガネイソギンチャクは食用にされることは殆ど無いようなのですが、イシワケイソギンチャクによく似ていて美味しそうだったので、試しに食べてみることにしました。砂に埋れた石を掘り起こすと、身がちぎれることなくきれいに採取することができます。

イソギンチャクをカレーにして食べてみた シーフードカレーの具としてバッチリ!クロガネイソギンチャク(提供:茸本朗)

捕獲したイソギンチャクはさっと湯通ししてからぬめりを洗い落とし、シーフードカレーの具にしてみました。食べてみると外側はパリッとした質感ですが内部はとろっとしており、二枚貝の内臓やホヤのような風味で悪くありません。トマトを効かせたシーフードカレーの具としてはなかなか上々で、今後も捕まえて食べたいという味でした。

加熱処理で毒対策

ちなみに、イソギンチャクの多くは刺胞毒という毒を持っていますが、これは加熱により不活化するため食用にしても問題ありません。しかしスナギンチャクなど一部の大型イソギンチャクはテトロドトキシンなどの蓄積性海洋毒を体内に保持しており、これは加熱しても消えないため食用にすることはできません。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>