また、墓の覆土からは1トンもの巨大な石材が14点、対になって並べられているのが見つかり、その上には雄牛の形をした石像が据えられていました。
これらもまた、この人物の特別な地位を物語っていると考えられます。
遺体の姿勢や槍の配置から、この人物は明らかに「戦士」として埋葬されたことが分かります。
しかも、単なる兵士ではなく、指導者級の存在だった可能性も示唆されています。
まさに“巨人兵”と呼ぶにふさわしい存在だったのです。
巨人兵の謎の解明はつづく

この発見は、アゼルバイジャン国内のみならず、国際的にも大きな関心を集めています。
現在、放射性炭素年代測定、同位体分析などを通じて、この巨人兵の正体にさらに迫る研究が進行中です。
分析結果は、国際的な学術誌での発表も予定されており、また発掘されたすべての資料を写真・図面・解説とともにまとめた科学書の出版も計画されています。
その中で、巨人兵が生前にどのような生活を送り、何が原因で死に至ったのかも明らかにされるでしょう。
私たちはしばしば、古代の人々を「過去の存在」として切り離して考えがちですが、このような発見は、遥か昔の世界がいかに高度で、多様な精神文化に支えられていたかを思い出させてくれます。
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参考文献
3,800-year-old burial of tall warrior buried with 4-pronged spearhead unearthed in Azerbaijan
https://www.livescience.com/archaeology/3-800-year-old-burial-of-tall-warrior-buried-with-4-pronged-spearhead-unearthed-in-azerbaijan
ライター
千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。