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21世紀はブルーカラーの時代です。ホワイトカラーはAIや自動化で、着実に淘汰が進みます。一方現場での肉体労働や技術労働は機械化が難しく、依然として人間の経験と判断が必要です。平成まではホワイトカラー信仰が強く、ブルーカラーは負け組扱いもされましたが、これからは逆転現象が起きます。
統計もそれを裏付けています。令和7年6月の有効求人倍率は全体で1.17倍ですが、土木や建設業は4〜8倍と非常に高い水準で推移しています。逆に事務職関連は軒並み1を下回り、求職者が余る状況が常態化しています。このブルーカラーとホワイトカラーの需給ギャップは、不可逆的に広がり続けています。
近年は世界でもホワイトカラーからブルーカラーへの揺り戻しが起きています。米国では職業訓練プログラムを提供する専門学校の入学者が増えています。また中国でも不況でホワイトカラーの仕事が減り、ブルーカラーの就業者数が増加傾向です。「手に職」を持つ人材の価値が見直されているのです。
この30年間、日本ではブルーカラーが敬遠され、後継者不足も深刻化し、外国人労働者に頼らなければならなくなりました。このまま行けば日本人に技能が継承されなくなるでしょう。Fラン大学に進学して稼げないホワイトカラーになるくらいなら、親が子供にブルーカラーの道筋を整える事は有益です。
私も20代は港湾荷役の現場で汗を流し、その後はホワイトカラーを経験し、今はブルーカラーの会社を経営しています。職業に貴賤はありません。むしろAIで代替できない分野こそ、人間の強みが活かされる時代でしょう。
この考察は過去のnoteで詳述しているのでご覧下さい。
「海外から見た、日本の良い点・おかしな点」 第98回 これからはブルーカラーの時代が来るのか?