そして、この行動の際は、ほぼ必ず小石を使って毛づくろいをしていたのです。
これに注目した研究チームは、この行動が意図的であることを確かめるべく、調査を開始。
保護区内の鳥小屋で、9日間にわたる観察を行いました。
ブルースが道具をつかって出来ること
その結果、ブルースが意図的に欠損部位の代わりに道具を使っていることは、以下の5つの行動から証明されました。
・ブルースが毛づくろいをする時、90%以上の確率で小石を選んでいた
・ブルースが小石を落とした時、95%の確率で小石を回収、あるいは他の小石に交換してから毛づくろいを再開した
・ブルースは環境中の小石をランダムに選ぶのではなく、毛づくろいに最適なサイズの小石を選んでいた
・同じ鳥小屋にいる他の12羽を観察したところ、小石を使って毛づくろいする鳥はいなかった
・他の鳥が石を咥える時は、ブルースとは違って、サイズの異なる石をランダムに選んでいた
以上のことから、ブルースは欠損部を補うために、同じサイズの小石を利用していると結論できます。

研究主任のアマリア・バストス氏は、次のように述べています。
「ブルースが道具を使うことで、ミヤマオウムの知能の高さが浮き彫りにされました。
ミヤマオウムは野生下であまり道具を使わないのですが、ブルースの行動は、彼らの知能が非常に柔軟であることを示します。
ミヤマオウムは、身体的に問題が生じても、その障害に適応して柔軟に解決できるのでしょう」
鳥は、動物の中でも、非常に知能の高い生き物です。
最近では、野生のオウムが木の枝を食用ナイフのように使う様子や、人間の言葉を聞き覚えたアヒルが「ボケナス(You Bloody Fool)」としゃべる様子が観察されています。
こちらが、木の枝をナイフに使うオウム。