謎の感染症「チクングニア熱」その正体とは?
この新たな脅威の正体は、チクングニアウイルスによって引き起こされる感染症「チクングニア熱」だ。このウイルスは、感染した蚊(ネッタイシマカなど)に刺されることによってのみ人に感染する。
主な症状は以下の通りだ。
** 39度を超えることもある持続的な高熱 ** ** 耐えがたいほどの激しい関節痛 ** ** 全身に広がる発疹 **
特に深刻なのは、その関節痛だ。一部の患者では、この痛みが数ヶ月から数年にわたって続く慢性的な症状に移行することがあり、生活の質を著しく低下させる。そして、このチクングニア熱には、特効薬やワクチンが存在しないのが現状である。
再びのロックダウン ― 当局が繰り出す強硬策
感染拡大を受け、中国当局はCOVID-19パンデミックを彷彿とさせる、強力な封じ込め策に乗り出した。
街中では防護服を着た作業員による消毒作業が始まり、患者は病院に隔離され、陰性が確認されるか、1週間の滞在を経なければ退院は許されない。
感染源である蚊を根絶するため、当局は総力戦を挑んでいる。住民に対しては、蚊の発生源となる水たまりを放置した場合に罰金を科すと警告。さらに、殺虫剤を散布するドローンや、ボウフラを捕食する「人食い蚊」(生物的防除の一種)や魚を大量に動員するなど、あらゆる手段を講じている。

新たな世界的脅威となるのか
中国当局は、現在のところ重症例や死亡例は報告されていないと発表している。しかし、感染が「流行(エピデミック)」レベルに達する恐れがあるとして、国家規模での蚊の駆除を求める声が高まっているのも事実だ。
中国メディアは、「これは音の無い戦いだ。我々は団結し、迅速に行動してウイルスの拡散を食い止めなければならない」と国民に呼びかけている。
特効薬のないウイルスとの戦いは、まだ始まったばかりだ。世界は、この新たな感染症の動向を固唾をのんで見守っている。
参考:Daily Star、ほか
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