「日本語は難しい」とよく言われるように、我われ日本人でも知らない単語や用法、読み方は決して珍しくない。

現在ネット上では、NHKアナウンサーが連続で発した単語に対して「そんな漢字も読めないのか」と、物議を醸しているのだ。

■千玄室さん、死去

14日、千利休の流れを汲み、茶の湯の文化を世界に広めた茶道裏千家前家元の千玄室さんが死去したと伝えられた。

これを受け、各テレビ局では訃報に関するニュースが報じられ、千さんの功績や偉業、そしてその歴史が紹介された。ネット上では、アナウンサーによる「茶道」の読み方に注目が集まっている。

■読み方は「さどう」ではなく…

同日14日、政治学者・原武史氏は自身のXアカウントより、「千玄室が亡くなったことを伝えるNHKのアナウンサー。茶道を一貫して『ちゃどう』と発音していた」という内容のポストを投稿。

すると、「ちゃどう」という読み方に違和感を覚えた人々が反応し、当該のポストは瞬く間に話題に。

Xユーザーからは「最近のアナウンサーは何かおかしい…」「NHKのアナウンサーなのに、茶道も読めないのか」など、非難や疑問の声が上がっていた。

■じつは「ちゃどう」が正しい

しかし、一方で「この場合は『ちゃどう』読みが正しい」という擁護、称賛の声も多数寄せられている。

前出の通り、千さんの流派は「裏千家」。そして同流派では、茶道を「ちゃどう」と読むのが正解なのだ。

実際、裏千家の公式SNS等で発信されているイベント情報には「ちゃどう」のルビが確認できる。

また、NHK放送文化研究所でも「放送では、現在どちらで読んでもいいことになっています」という回答が確認できた。

さらに、同ページでは「ただし、古くはチャドー、現在ではサドーが一般的だと言われています。『日本国語大辞典』によると、江戸時代まではサドーというのはまれで、茶頭(サドー)との混合を避けるためにチャドーというのが普通だったようです。今でも、茶釜、茶器、茶室、茶道具、茶の湯、茶会などの茶道関係のことばは、すべてチャです。したがって、『茶道』をサドーと読むのはむしろ例外的です」とも説明している。

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(文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ