木村誠二 写真:Getty Images

 パリ五輪U23日本代表DF木村誠二は先日、FC東京からベルギー1部KVCウェステルローへ完全移籍。海外挑戦直後であるが、コミュニケーション能力という観点で、チームメイトの元ガンバ大阪所属FW坂本一彩よりアドバンテージを得ている模様。ウェステルローのイサメ・シャライ監督は、DF冨安健洋(無所属)やMF遠藤航(リバプール)を比較対象に挙げている。

 ベルギー『Het nieuwsblad』で8月14日に掲載されたインタビュー記事によると、シャライ監督は「(木村と坂本が語学の習得するにあたり、)クラブとして必要なことはやっている。英語レッスンも提供しているが、選手たち自身にも努力を求めたい。それは彼らの意欲を示すものでもある」と、言語能力を向上させる必要性を強調したという。

 また、シント=トロイデンVV(STVV)のコーチ時代に遠藤ら日本人選手の指導に当たっていただけに、「彼らにはSTVV時代の冨安や遠藤の例を挙げた。冨安と遠藤は言語学習に多くの時間を投資していた。今では遠藤がプレミアリーグでプレーしているからね」とコメントしたという。

 日本代表の主力選手として活躍している選手を例に、語学力のレベルアップを求めているが、『Het nieuwsblad』はシャライ監督のコメントをもとに、木村の現状についてこう報じている。

 「彼はピッチ外でもできるだけ早くチームに溶け込もうと全力を尽くしている。監督やクラブの関係者との会話では、必ず英語で話しかけるよう求めている。意思疎通はまだスムーズとは言えないが、そうすることで少しでも早く言語を習得したいと考えているのだ。(2年目の)坂本より外向的であり、コミュニケーションをとるのに有利だ」

 2024/25シーズン後半に坂本が結果を残し、180万ユーロ(約3億900万円)という高額な移籍金で木村を獲得したウェステルロー。日本人選手の指導歴がある指揮官のもとでプレーすることは、欧州でのステップアップのしやすさという観点で適切な環境と言えるだろう。