物事を「俯瞰して考える」という習慣は非常に重要である。それまで気づかなかった、思わぬミスを発見するヒントにもなるだろう。

現在X上では、「予備自衛官募集」ポスターに発見された深刻なミスに対し、ツッコミが多数寄せられている。

■このポスター、何かがおかしい…

今回注目したいのは、とあるXユーザーが投稿した1件のポスト。

「予備自衛官3年勤めたら27億円貰えるの強すぎて草。会社行ってる場合じゃない」と、意味深な文章が綴られた投稿には、「予備自衛官募集」と書かれたポスターの写真が添えられている。

ポスターには「予備自衛官手当 4,000円/月」「訓練招集手当 8,100円/月」といった具合に、支給される手当の金額が記載されているのだが…。

なんとその中に、「1任期(3年)満了時の受給モデル 約270,000万円」という、異彩を放ったとんでもない金額が確認できたのだ。

■「大谷くらい稼げるかな」

「270,000万円」は、通常の「円」表記にすると2,700,000,000円…つまり、27億円である。

こちらの莫大な金額は瞬く間に話題となり、「27億はすごい!」「転職します」「お国のために、予備自衛官になります!」「大谷翔平くらい稼げるかな」など、一攫千金を狙う人々の声が続出する事態に。

一方で「印刷する前に気づかないもんかね…」といった具合に、疑問視する声も少なからず寄せられていた。そこで今回は、当該のポスターの実態について、防衛省・陸上幕僚監部(陸幕)に話を聞いてみることに…。

■陸幕は「ポスター撤去した」

予備自衛官募集ポスター
(画像=『Sirabee』より引用)

ポスターの詳細について、陸幕 広報室の担当者は「4月中旬頃から本日(8月8日)まで、北海道釧路市に掲示されていました」と、説明。実際の金額については、「正しくは『約270,000円』です」との回答が得られたのだ。

また、「当該ポスターは撤去し、修正版を掲示予定です。予備自衛官等の処遇改善(9月1日施行)に伴い、当該ポスターの改訂版を作成・配布予定です」とのことであった。

なお、当編集部からの取材を打診したのが8日のことだったので、このスピード感は流石である。

金額が大きい数字を表記する際、陥りがちなケアレスミス。ここだけの話、記者も記事の中で全く同じ表記ミスをした経験がある。読者諸君も決して他人事と思わず、注意してほしい。