意外な組み合わせが双方にメリットをもたらすことがあります。

オランダ・ワーゲニンゲン大学(Wageningen University & Research)動物科学科に所属するエマ・カンファービーク氏ら研究チームは、牧草地にソーラーパネルを設置することでヒツジが元気になると報告しました。

ヒツジたちはソーラーパネルの下で休憩することで熱ストレス(健康に害を及ぼす高温状態)から守られて元気になり、たくさんの草を食べるようになったのです。

研究の詳細は、2022年11月29日付の学術誌『Applied Animal Behaviour Science』に掲載されました。

目次

  • ソーラーパネルを設置すると、牧草地の羊たちはどうなる?
  • 「牧草地×ソーラーパネル」が羊を元気にする

ソーラーパネルを設置すると、牧草地の羊たちはどうなる?

放牧されるヒツジは、新鮮な空気と適度な運動によって、健康的で丈夫な身体に育ちます。

ストレスフリーな環境で、自由に牧草を食べることができるのです。

しかし、これを行うには広大な牧草地が必要です。

放牧にもソーラーパネルにも広大な面積が必要
放牧にもソーラーパネルにも広大な面積が必要 / Credit:Canva

そして分野は異なりますが、同じく広大な土地が必要なものとして、「ソーラーパネル」が挙げられます。

十分な電力を生み出すには、広い範囲にソーラーパネルを設置しなければいけないのです。

もし、この2つを組み合わせることができれば、土地面積を有効活用できるでしょう。

そこでカンファービーク氏ら研究チームは、牧草地とソーラーパネルがうまく適合するか調査することにしました。

牧草地にソーラーパネルを設置すると羊はどう変化する?
牧草地にソーラーパネルを設置すると羊はどう変化する? / Credit:Emma W. Kampherbeek(Wageningen University & Research)_Solar farm sheep graze more(2023)