アレクサが勝手にクイーンを再生、犯人は…

 彼女のお気に入りの思い出の一つは、TikTokの撮影中に起きたポルターガイスト現象だ。「撮影を終えて、ライブ配信を切ろうとしたちょうどその時、階下のアレクサから突然音楽が鳴り響いたんです」

 彼女が確認しに行くと、案の定、スピーカーからはロックバンド・クイーンの曲が流れていた。そして、それは彼女のコレクションの中でも特にお気に入りの、呪われたテディベア「ジェレマイア」が一番好きなバンドだったのだ。

「良い霊」だけを集める理由

 ティージさんが超常現象に魅了されたのは、6歳の頃の劇的な体験がきっかけだ。当時、彼女と家族は「オビュラス」という、周囲のエネルギーを言葉に変換するという装置を使ってゴーストハントをしていた。

「突然、オビュラスが『早く、そこからどけ』と表示したんです。私たちはすぐにその場を離れました」

 その直後、一台の車が猛スピードで角を曲がってきたという。「もし動いていなかったら、私たちは轢かれていたかもしれません。その時、霊が私たちを助けようとしてくれたのだと感じました」

 この体験が、彼女が「ポジティブなエネルギーを持つ霊」にこだわる理由だ。彼女は、アンティークショップやリサイクルショップで霊の気配を感じても、その人形を購入することはない。その霊が悪意を持っている可能性を排除できないからだ。「自宅は私の安全な場所。私や家族に危害や混乱をもたらす可能性のある霊を、家に招き入れるリスクは冒せません」

“54体の呪いの人形”と暮らす女性「人形がアレクサをハッキングして勝手に音楽を流す」の画像2
(画像=画像は「YouTube」より)

敬意を払えば彼らも敬意を払う

 ティージさんは、人形に宿る霊たちと敬意をもって接することで、良好な関係を築いているという。「彼らの多くは、コミュニケーションをとり、認められたいという純粋な欲求を持っています。私たちが敬意を払えば、彼らも同じように返してくれます」

 彼女の家で起こる心霊現象のほとんどは、遊び心に満ちたもので、時には彼女を笑わせるためのものさえあるという。

 54体の呪いの人形と暮らす、世にも奇妙な日常。それは、恐怖とユーモアが同居する、もう一つの家族の形なのかもしれない。

参考:Daily Star、ほか

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。