以前からあった「吊り下げ説」の根拠

 実は、この「釣り糸疑惑」は今回が初めてではない。以前から公開されていた他の映像でも、球体が不自然な「振り子運動」をしていることが専門家から指摘されていた。

 これは、ドローンのような飛行物体から、非常に細く見えにくい糸で吊り下げられていることを強く示唆している。ドローンが高い位置にあれば、振り子の揺れ幅は小さくなり、まるで球体が自らの力で浮遊しているかのように見せかけることができるというわけだ。

それでも「本物」と信じたい人々

 数々の科学的な反証や映像の不自然な点にもかかわらず、マウサン氏と彼のチームは「本物だ」という主張を続けている。最近では、球体に向かってマントラのようなものを唱えたり、アンデス地方の伝統的な法螺貝を吹いたりする、儀式めいた「分析」の様子まで公開している。

 結局、「ブガの球体」とは何だったのか。科学が示した「地球製の工業製品」という答えと、それでも信じたい人々の熱意。この騒動は、UFOという永遠のミステリーがいかに人々を魅了し、時に惑わせるかを示す現代の一つの寓話なのかもしれない。

参考:Portal Vigília、ほか

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