都心にいながら四季折々の自然が楽しめる、新宿御苑。
散策だけでも素晴らしい御苑ですが、定期的に季節の特色ある花や日本文化が楽しめる年間行事が催されていることをご存知ですか?中でも11月の「菊花壇展」は、お花見シーズンの春の特別開園と並んで新宿御苑を代表する年間行事です。晩秋の日本庭園で皇室ゆかりの伝統を受け継ぐ見事な菊花壇を鑑賞して来ました。
目次
新宿御苑の秋の年間行事、菊を愛でる「菊花壇展」
元々は皇室行事だった「菊花壇展」の歴史
新宿御苑を代表する「大作り花壇」
見事な丸い菊が手綱模様に並ぶ「大菊花壇」
新宿御苑の年間行事、お得な年間パスポート
新宿御苑の秋の年間行事、菊を愛でる「菊花壇展」
「菊花壇展」が催されるのは毎年11月1日~15日。
開催期、御苑内の日本庭園エリアには上家(うわや)と呼ばれる建物が設けられ、様々な伝統様式の菊が飾られます。
それぞれの花壇は日本庭園の散策順路から最も美しく鑑賞できるように配置されるのだとか。日本庭園中央入口(中央休憩所横)から入場し順路に沿って鑑賞しましょう。
元々は皇室行事だった「菊花壇展」の歴史
皇室の紋章として定められている菊。
園芸として楽しむための菊が日本に渡来したのは奈良時代~平安時代だと言われています。菊を鑑賞する皇室行事「菊花拝観」は赤坂御所にて明治11年に初めて行われました。
新宿御苑で菊の栽培が始まったのは明治37年。昭和4年からは「観菊会」(その頃には「菊花拝観」から「観菊会」と呼ばれる様になっていました。)も新宿御苑で行われるようになり、新宿御苑は菊花の名前と共に海外にも広く知られるようになりました。
一般には、新宿御苑が国民公園として定められた昭和24年から公開が始まったそうです。
新宿御苑を代表する「大作り花壇」
まるで花束の様に見えるこの画像の花壇、なんと一本の株から作られているんです。
これは新宿御苑独自の「大作り」と呼ばれる様式で、初冬に出てくる芽からだんだんと枝数を増やしていき、1年かけて300〜600もの花を咲かせるのだそう。日本中の菊花壇展で見られる「千輪作り」の元になっている、新宿御苑の菊花壇と日本の園芸文化を代表する花壇です。
高さ2〜3mもありそうな花壇は迫力の美しさ。白・黄・紅(紫)・黄・白と5つの大作り花壇が展示されており、それぞれに「裾野の月」「紅葉狩」などの品種名と花数が書いてあります。品種名も雅やかで美しいですね。
見事な丸い菊が手綱模様に並ぶ「大菊花壇」
菊といえばこの形を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
こちらは新宿御苑独自の様式「大菊花壇」。ボールのように丸く咲く39品種311株の大菊を黄白紅(紫)の順に手綱模様に植える「手綱植え」にし、全体の花が揃って咲く美しさを鑑賞する花壇です。
ちなみに手綱模様とは縞模様、ストライプのことで、「手綱植え」は神馬の手綱に見立てているそうです。
この他にも菊花壇展では懸崖花壇や一文字菊花壇・管物菊花壇など、様々な伝統様式の菊花壇を鑑賞することができます。
新宿御苑の年間行事、お得な年間パスポート
新宿御苑では菊花壇展の他にも「春の特別開園」、「森の薪能」、温室で行われる「洋らん展」などの季節を感じられる年間行事が行われています。
入園料は500円(一般)ですが、年間パスポートなら1年の間に何度でも入園できて2,000円とお得。年間パスポートを利用して日々の散策はもちろん、年間行事を楽しむのもおすすめです。
新宿御苑
- 住所:東京都新宿区内藤町11番地
- 休園日:毎週月曜日(月曜日が休日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日~1月3日)※開園時間などの詳細は公式HPをご確認ください。
- 公式HP:環境省 新宿御苑
※2021年3月14日現在、緊急事態宣言の延長に伴い臨時閉園中です。開園時期については公式HP等でご確認をお願いします。
文・写真 N.L.Paris/提供元・たびこふれ
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