この欠点を補うべく、養殖によって脂肪をつけ、ウナギと似た味わいに仕上げているナマズも開発されています。自然界にいるものでは「ギギ」というナマズの一種が脂が乗りやすく、比較的近い味わいという評価を受けています。

植物性食材でもできる?

ウナギの代用品として見られている食材は魚だけではありません。近年のビーガンブームもあり、植物性食材によるウナギ代用品に注目が集まっています。

有名なのは「豆腐」で作られたもの。木綿豆腐の水分を抜き、海苔を片面に貼り付けて油で揚げ、蒲焼のタレを絡めて焼くことで「ちょっとウナギっぽい豆腐料理」を作ることができます。精進料理の文脈から開発されたウナギ代用品と言えそうです。

「今年もウナギの代用品を探そう!」国際取引規制の可能性でますます食べづらくなるかも?山形の「畑のうなぎ」(提供:茸本朗)

また、山形県では近年、野菜の「ごぼう」を使ったウナギ代用品が食べられています。ごぼうを蒸してから叩いて伸ばし、素揚げにしてからタレを絡めて焼いたもので、ウナギというにはちょっと食物繊維が強いものの、土の香りに一瞬「ウナギらしさ」を感じることができます。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>