ミケル・アルテタ監督 写真:Getty Images

 プレミアリーグのアーセナルが近年のタイトル争いで紙一重の差で優勝を逃し続ける中、心理的な優位性を追求する動きが注目を集めているようだ。UEFAチャンピオンズリーグやプレミアリーグの様なハイレベルの競争では、純粋なサッカー技術だけでなく、ホームスタジアムでの細かな調整も勝敗に影響を与える可能性があるのかもしれない。

 UKメディア『Just Arsenal』によると、アーセナルはミケル・アルテタ監督の要請により、ホーム、エミレーツ・スタジアムの選手用トンネル上部の可動式カバーを恒久的に撤去したようだ。

 この改修は今2025/26シーズンに向けて実施されたもので、長年設置されていた構造物がピッチへの通路を覆っていた状況を変更した。同監督は、このカバーが観客の声援を遮り、相手選手にとって威圧感の少ない雰囲気を作り出していたと判断し、撤去をクラブに要求した。

 この変更により、スタンドからの熱狂的な声援がより直接的にトンネル内に響き、ピッチに向かう選手たちに届くことが期待されている。クラブ側は、観客の応援がより鮮明に伝わることで、ホームチームの士気向上と相手チームへの心理的プレッシャーの増大を狙っている。

 しかし、この決定に対してファンからは嘲笑的な反応も見られている。一部のサポーターは試合当日の雰囲気向上とアウェーチームにとってより威圧的な環境作りの試みを支持する一方で、これほど小規模な変更で実際の結果が大きく変わるのかと疑問視する声も上がっている。特にライバルクラブのファンは、アーセナルの近年のタイトル不足を指摘し、より根本的な改善が必要だと皮肉を込めて反応している。

 批判的な意見があるにもかかわらず、アーセナルの経営陣はこの方針に確信を持っているとのことだ。クラブはこのスタジアムの改修が、相手チームを威圧する手段となると考えており、こうした細かな積み重ねがピッチ上でのパフォーマンスと相まって、ファンが望む結果につながると信じているようだ。