中村敬斗 写真:Getty Images

 クラブとの関係という観点で、ベルギー1部KRCヘンクへ完全移籍したFW伊東純也と大きく異なっているようだ。日本代表FW中村敬斗は移籍を望んでいるものの、スタッド・ランスは同選手の希望を認めず。日本ツアー欠場中の一部SNS投稿削除をきっかけに、選手サイドとクラブの関係悪化が報じられるなか、一部の日本人サッカー関係者は選手側に非がある可能性を主張している。

 MLS(アメリカ・メジャーリーグサッカー)所属クラブの関係者は12日、中村の去就について分析。「2部降格で移籍容認されるケース」として「降格時の解除条項が付いている」「クラブ側の給与負担が大きく放出」の2点を挙げると、「解除条項を満たし、移籍阻害されてる場合はクラブの契約違反なので欠席せずとも移籍可能。どちらも該当せず移籍希望で選手が欠席してる場合は選手のわがまま」と私見を述べている。

 現時点でランスは中村の移籍を容認していないが、当該関係者は、「解除条項があるかどうか。それを満たすオファーがあるかどうか」と争点に挙げると、「契約解除条項がない場合は、クラブに拒否権があり、降格したとて選手はそれに従わなければならない」と投稿している。

 ランスは日本ツアー実施前に中村を残留させる方針を固めていたとみられるが、同選手の日本ツアー不参加をコンディション不良によるものと説明。しかし、本人が7月31日までにランス関連のインスタグラム投稿をすべて削除すると、フランスの複数メディアは「中村とランスの関係が悪化」「中村は移籍を希望しているが、ランスはこれを認めない」などと伝えている。

 また、フランス『フットボール』は8月はじめに「ランス会長は独断で、カレル・ヘラーツ監督に対して中村の残留を保証」「中村はフランス2部でプレーする意思はない」と報道。クラブ施設への出入り禁止も取りざたされるなか、同選手は8月11日開催のフランス2部リーグ開幕戦でベンチ外だった。