秋葉忠宏監督 写真:Getty Images

 清水エスパルスの新スタジアム建設計画が前進していることを匂わせたかもしれない。秋葉忠宏監督は8月10日に行われた明治安田J1リーグ第25節サンフレッチェ広島戦後、静岡市の難波喬司市長に言及。同監督のコメントに注目が集まっている。

 新スタジアムの建設候補地には、JR清水駅のそばに製油所の跡地が上がっていたが、2025年3月1日の報道によると、難波市長は「地権者(エネオスホールディングス)との調整がなかなかつかない」などとコメント。計画が白紙に戻る可能性が取りざたされていた。

 しかし、8月上旬の報道によると、静岡市とENEOSは製油所の跡地を新スタジアム整備に活用する方向で合意する見込み。スタジアム移転への機運が高まるなか、秋葉監督はエディオンピースウイング広島で臨んだ広島戦後のインタビューで「これが我々エスパルスというクラブの魂であり、メンタリティーですから、たった3日でここまで持ってくる選手、すごいものを見せてもらったと思っています。そこにも難波市長、色々な方々が来てくれた、そういったサポーターファミリーがこの雨の中でも、広島まで来てくれた全員の思いを選手が思い切り体現してくれた」とコメント。

 上位クラブの広島相手に0-0と引き分けに持ち込んだ選手のパフォーマンスを称えているが、来場者に市長の名前を挙げたことが、新スタジアム建設に向けて物事が順調に進んでいることの布石という見方が広まっている。

 清水は現在、IAIスタジアム日本平をホームスタジアムとして使用しているが、JR清水駅からバスで約20分と、以前からアクセスの不便さが問題になっているほか、完成から30年以上が経ち、老朽化が進んでいる。静岡市とENEOSの合意報道直後であるだけに、秋葉監督のコメントの真意が気になるところだ。