ディエゴ・ピトゥカ(鹿島アントラーズ在籍時) 写真:Getty Images

 V・ファーレン長崎は8月8日、元鹿島アントラーズ所属選手のブラジル人MFディエゴ・ピトゥカを獲得したと公式発表。同選手はブラジル1部サントスを契約解除により退団しているが、未払い金の受け取りを放棄したことにより、現地で称賛を浴びている。

 ブラジルメディア『Bola Vip』が11日に伝えたところによると、サントスはピトゥカに対して2023年の復帰時に約束したボーナス等を支払わず。未払い額は2700万レアル(約7億2,600万円)にものぼるというが、選手本人は同クラブの財政状況を考慮して受け取りを放棄したという。

 2021年の鹿島移籍前からサントスに対する特別な思いを抱いているピトゥカだが、長崎移籍に当たっての未払い金受け取り放棄という決断を受けて、『Bola Vip』は「彼がサントスのために素晴らしい仕事をしたというサポーターからの声が相次いでいる」とリポート。現地では、ピトゥカがリスペクトされているようだが、裏を返すと選手サイドがサントスの愚行を見逃した格好であるだけに、波紋も広がっている。

 現在32歳のピトゥカは2021年から鹿島でプレーし、2023シーズン終了後にサントスへ復帰。2024シーズンは元長崎指揮官であるファビオ・カリーレ監督のもと、ブラジル2部リーグ戦36試合の出場で4ゴール3アシストをマーク。シミッチとのボランチコンビで、1部昇格の大きく貢献した。しかし、カリーレ監督が昇格後に解任されたこともあり、2025シーズンはブラジル1部リーグ戦17試合中4試合のスタメン出場にとどまっていた。

 なお、長崎とサントスはファビオ・カリーレ監督の二重契約問題で話題になっていた。長崎としては、財政難であるサントスとの直接的な取引を回避したという点をプラスに捉えたいところだ。