中村敬斗(写真左)と伊東純也(写真右) 写真:Getty Images

 ベルギー1部KRCヘンクへ完全移籍したFW伊東純也と異なり、ランスに残留する可能性もあるようだ。日本代表FW中村敬斗は日本ツアー欠場中の一部SNS投稿の削除で話題を呼んだが、依然としてクラブとの関係が悪化しているという。

 中村の去就を巡っては、フランス『フットボール』は8月はじめに「ランス会長は独断で、カレル・ヘラーツ監督に対して中村の残留を保証」「中村はフランス2部でプレーする意思はない」とリポート。選手サイドが2部降格により20%の年俸をカットされたことに対して不満を抱いている可能性もあわせて伝えていた。

 またクラブは日本ツアー参加前の時点で、中村を残留させる方針を固めていたとみられるが、同選手の日本ツアー不参加をコンディション不良によるものと説明。しかし、本人が7月31日までにランス関連のインスタグラム投稿をすべて削除したことを受けて、クラブとの関係悪化や移籍といった憶測が駆け巡り、日本人選手の移籍市場に精通しているジャーナリストのダニーロ氏は「中村とランスの関係が破綻」「彼は移籍を望んでいるが、ランスは反対」と伝えていた。

 8月11日にフランス2部リーグ開幕戦を控えるなか、ランスは公式サイトを通じて「中村の状況は、前回の公式発表(医師の診断書による日本ツアー欠席)以降変わっていない」と説明している。

 一方、フランス『L’Union』は9日に「中村敬斗とスタッド・ド・ランスの対立は続く」とリポート。「3年間の契約を残す中、退団を希望する中村は日本ツアーに参加しなかった。しかし、クラブ首脳陣の頑固な態度に直面しており、退団は認められていない」と、選手サイドとクラブ首脳陣の対立を報道。

 クラブ会長が「クラブの方針に反して退団してはならない。クラブを離れることは許さない。病気休暇中の彼は正気を取り戻さなければならない。我々が考えを変えるつもりはない」とコメントしていることから、少なくとも2025年夏の移籍ウィンドウ最終日まで飼い殺しとなる可能性が考えられる。