ENEOSと国内の自動車レース「全日本スーパーフォーミュラ選手権」を運営する日本レースプロモーション(東京都)、福島県大熊町を拠点にバイオ燃料の研究を行う次世代グリーンCO2燃料技術研究組合(raBit)は8日、共同で会見を開き、同レースで非可食植物由来の「セルロースエタノール」を混合した低炭素ガソリンを使用することを発表した。
国内の自動車レースでセルロースエタノールが使われるのは初めて。今年度内に複数回の性能試験を実施し、来年4月のレースからの導入を目指す。過酷なレース環境で性能をアピールし、一般車両への普及に役立てる方針だ。
活用するのはraBitが非可食植物「ソルガム」から製造したセルロースエタノールで、低炭素ガソリンでは約1割を混合させる。セルロースエタノールは、現在主流となっているトウモロコシやサトウキビ由来のバイオエタノールと比べ、食料との競合につながらず、環境負荷も小さいが、製造技術やコストの面で課題が残る。ENEOSの藤山優一郎常務執行役員は「注目度の高いイベントを通じて低炭素燃料の存在をアピールし、一般の方に知ってもらう機会にしたい」と話す。(了) (記事提供元=時事通信社) (2025/08/02-14:13)