
E-1選手権で日本代表と対戦した韓国代表DFキム・ジュソンのサンフレッチェ広島移籍は“異例”と言えるかもしれない。Jリーグにおける韓国人選手への評価が低下しているほか、Jリーグ移籍を望まない韓国人選手の傾向が現地で波紋を呼んでいる。
韓国『マイデイリー』は8月8日、韓国人選手によるJリーグの捉え方を特集。Jリーグでは現在、FWオ・セフン、MFナ・サンホ(いずれも町田ゼルビア)、GKキム・ジンヒョン(セレッソ大阪)、GKキム・スンギュ(FC東京)、DFキム・テヒョン(鹿島アントラーズ)ら12選手がプレーしているが、レギュラーに定着しているのは2選手のみという現状を踏まえた上で、「韓国人選手にとって、Jリーグは寂しい舞台だ」「今のJリーグは、韓国人選手を好まない」と指摘。キム・ジュソンについて「広島でレギュラーに定着できるとは限らないにもかかわらず、なぜJリーグへ移籍したのか」などと疑問を呈している。
また同メディアは韓国人選手の欧州志向が高まっている現状にも着目。「Jリーグより大きな世界で認められたいという願望が強い」と綴った一方で、FWソン・フンミン(ロサンゼルスFC)がトッテナムで結果を残したとはいえ、「欧州5大リーグでプレーする韓国人は3人。これに比べて日本人は15人であり、そのうち13人がほぼレギュラーに定着している」とトーンダウン。欧州における日本との格差に嘆いている。
韓国人選手の欧州志向が強まる中でも、キム・ジュソンはJリーグ移籍を選択。背景には、欧州クラブの提示したオファーが、移籍金120万ドル(約1億7,000万円)という広島の好条件に及ばなかったことがあるというが、デンマーク2部コリングIFのスカウト関係者であるベン・グリフィス氏はこう私見を述べている。
「欧州トップレベルのクラブが、韓国よりも日本の方に注目しているという点で、(キム・ジュソンのJリーグ移籍は)ポジティブだ。少なくともパフォーマンスの観点から、KリーグよりもJリーグの方が評価は高い。韓国から日本への移籍は横ばいだが、日本への移籍により、彼の将来がもっと開かれる」