京都サンガ 写真:Getty Images

 京都サンガは8月8日、2025シーズンの明治安田J1リーグ公式戦の一部試合で価格変動制「ダイナミックプライシング」(DP制)よるチケット販売を実施すると公式発表。アビスパ福岡など、すでにDP制を導入している一部クラブで観客数の低迷が見られるだけに、DP制を巡る議論が再燃しそうだ。

 京都の発表によると、サンガスタジアム by KYOCERAで開催されるJ1第30節の清水エスパルス戦(9月20日)、第33節の川崎フロンターレ戦(10月4日)の2試合でDP制によるチケット販売を試験導入。導入の理由について、公式サイトでは、「より多くのお客様に試合観戦をお楽しみいただくため」「一律の価格設定では対応が難しいケースや、お客様の来場機会を逃してしまう課題も明らかになってきました」などと説明されている。

 DP制によるチケット販売を巡っては、2020年の新型コロナ感染拡大以降、福岡や北海道コンサドーレ札幌など日本国内の複数クラブで導入されたが、ファン・サポーターからは「値段が高い」などの声が挙がるなど、DP制に対する反対意見は根深い。

 また、一部試合での高額な価格設定が話題に。2023シーズンのJ1最終節・札幌対浦和では、浦和在籍歴のある小野伸二氏の引退試合ということもあり、アウェイエリアで1席あたり8000円以上(大人1名)に。異常とも言えるチケットの値段が浦和サポーターからの反発を招いていた。

 京都の場合は、2026年以降を見越した上での試験導入という形だが、DP制に基づいたチケット販売の本格導入に対する反対意見が多くあがることは予想される。FC東京がDP制を廃止、札幌が休止するなど、一部クラブでは2025年から撤退の動きもみられるだけに、京都の今後の対応に注目が集まる。