田中碧 写真:Getty Images

 プレミアリーグのリーズ・ユナイテッドは今2025年夏、フィジカル強化を目的とした補強を進めている。直近の過去2シーズンで、同リーグから降格した6クラブのフィジカル面が不足していたと判断し、セットプレーでの脅威を高める必要性を認識した結果、リーズの新加入7選手のうち6人が身長183cmを超える選手となった。クラブは、今2025/26シーズンのプレミアリーグ残留を目指し、フィジカルと空中戦の強さを積極的に生かす姿勢を示している。

 こうした方針の中で、クラブのダニエル・ファルケ監督は8月2日に行われたラ・リーガのビジャレアル戦(1-1)とのプレシーズンマッチでトップ下を外すフォーメーションを採用。同クラブに所属する日本代表MF田中碧を先発から外してベンチに置いた。

 一方で中盤にはDFエサン・アンパドゥを中央に、両脇にMFショーン・ロングスタッフとMFアントン・シュタッハを配置。いずれもフィジカルに優れ、空中戦でも強さを発揮できる布陣だった。

 UKメディア『Leeds United News』によると、もしリーズが今シーズン、屈強さと高さを重視する方針を貫くなら、田中が構想外となる可能性は否定できないと伝えた。

 田中は昨2024/25シーズン、テクニックに優れた中盤の選手としてEFLチャンピオンシップで存在感を示し、ファンから高い支持を得ていた。しかし、昨シーズン終盤、クラブ内部で田中のフィジカル面への懸念が表面化した。

 実際、昨シーズンのルートン・タウン戦で田中は競り負けて同点ゴールの起点となり、ミドルズブラ戦終盤でも同様の場面があった。さらにプレシーズンマッチとして7月19日に開催されたマンチェスター・ユナイテッド戦(0-0)やビジャレアル戦でも、田中はボールを失う場面が見られた。

 プレミアリーグで自陣でのボールロストは致命的であり、こうしたプレーが続くと、田中のチーム内での序列に影響が及ぶ可能性は否定できないだろう。