●この記事のポイント ・不動産業界においても、SaaSの導入が加速 ・物件管理や契約手続き、入居者対応、営業支援、リーシングなど、多岐にわたる業務を効率化 ・データ一元管理、ペーパーレス化、自動化、遠隔対応などのメリット

 クラウド会計の「freee」や請求管理の「マネーフォワードクラウド」など、SaaS(Software as a Service)は今や多くの業種で導入が進み、業務の効率化や生産性向上に欠かせない存在となった。実は、アナログな印象が強い不動産業界においても、SaaSの導入が加速している。物件管理や契約手続き、入居者対応、営業支援、リーシングなど、多岐にわたる業務を抱える不動産業界こそ、SaaSの恩恵を受ける場面は多い。本記事では、不動産業務向けに提供されている代表的なSaaSをピックアップし、その特徴を紹介する。

●目次

不動産業務とSaaSの親和性

 不動産業界には「紙と電話」の文化が根強く残っていたが、近年はコロナ禍を契機にデジタル化が一気に加速。非対面での内見や契約、遠隔地の物件管理など、従来のやり方では対応しきれない場面が増えたことで、SaaSへの関心が高まっている。不動産業界におけるSaaSの主なメリットは以下の通りだ。 ・データ一元管理:情報共有を強化し、属人化を解消  ・ペーパーレス化:電子署名で書類業務を効率化  ・自動化:入居者対応や契約手続きの負担を軽減  ・遠隔対応:複数拠点やテレワークをスムーズに運用

 こうした利点を生かし、業務効率化や顧客体験の向上を実現するSaaSが続々登場している。ここからは、日本市場で実績を重ねる代表的なサービスを紹介しよう。

注目の不動産SaaS:7つの有力ツール

1.  いえらぶCLOUD  不動産仲介・管理会社向けの総合システム。物件登録から反響管理、契約書作成、入居者対応、退去精算まで一括管理。30以上のポータルサイトとの自動連携や、CloudSign(クラウドサイン)を活用した電子契約が強みだ。中小から大手まで5,000社以上に導入され、業務の効率化を支援している。 公式サイト)https://ielove-cloud.jp/

2.  @property(@プロパティ) 賃貸管理をデータで最適化。家賃収入や空室率、物件パフォーマンスを可視化し、投資家や管理会社向けに収支予測やポートフォリオ管理を提供。資産価値の最大化をサポートする。 公式サイト)https://propertydbk.com/service/

3.  パレット管理 賃貸管理会社向けテナント管理システム。クラウドベースでテナントやオーナーとのコミュニケーションを効率化し、ペーパーレス化を推進。契約や問い合わせ対応をスムーズにする。 公式サイト)https://www.management.palette.co.jp/

4.  ANDPAD(アンドパッド) 建設現場のデジタル化を推進。クラウドでの書類管理やグループチャット、進捗管理で施工効率を向上。建築・不動産開発の現場課題を解決するツールとして広く採用されている。 公式サイト)https://andpad.co.jp/

5.  Qosmos(コスモス) 建物・設備のメンテナンス業務を効率化。過去の工事データを蓄積・整理し、保守管理の最適化を支援。メンテナンス業務の省力化に貢献する。 公式サイト)https://lp.qosmos.biz/

6.  SPIDERPLUS(スパイダープラス) 建築現場向けアプリ。図面や写真のデジタル管理、帳票生成をサポート。リアルタイムの情報共有で、現場の生産性を高める。 公式サイト)https://spider-plus.com/

7.  リノべる。 物件探し、デザイン、施工、資金計画を一括提供するリノベーションプラットフォーム。デジタルツールでリノベーションのプロセスを簡素化し、顧客ニーズに応える。 公式サイト)https://www.renoveru.jp/