バカリャウは日本だとちょっと手に入れづらいですが、普通の干し鱈なら乾物屋で当たり前に買うことができます。干し鱈を使いつつ塩気をうまく足してあげることで、バカリャウコロッケの味は再現できそうな気もしました。
サウジアラビアの「サイヤディーヤ」
万博で出会った最も印象深い魚料理は、サウジアラビアパビリオンレストランの「サイヤディーヤ」です。そもそもここのレストランは美味しいという評判な上に、席数が極めて少なく、入場待ちの行列にたどり着くことすら困難であるといわれていました。
2日にわたり挑戦して何とか列の入り口が開くのに遭遇し、そこからさらに2時間半並んでようやく辿り着いたレストランで出てきたのがこのサイヤディーヤ。

ハタ科の魚の丸揚げが、ピラフ的な炊き込みご飯の上に盛り付けてあります。カリカリに揚がった魚の香ばしさはもちろんのこと、魚の出汁や玉ねぎの甘味がよく効いた炊き込みご飯は極めて贅沢な味わいで、これは並んでも食べたい味だと思いました。
このサイヤディーヤ以外にも、アラブ諸国のパビリオンレストランには魚とライスを合わせた料理がいくつかあり、そのいずれもが和食のそれと大きく違う味わいを感じさせてくれました。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>