地獄のような暑さの、日本の夏がいよいよ本気を出してきた。「強すぎる冷房」と「弱すぎる冷房」ならば、どちらがマシか考えた経験はないだろうか。

以前X上では、電車内のエアコン付近で目撃された衝撃の光景に、驚きの声が多数上がっていた。

■車内のエアコンがあまりに強すぎて…

今回注目したいのは、Xユーザー・しーさいどさんが投稿したポスト。

「東武の電車、エアコン強すぎて中吊りバキュームされてる…」という意味深な1文が綴られた投稿には、電車の天井を撮影した写真が添えられている。

一見すると何の変哲もない光景だが…よく見ると、天井から吊り下げられた一部の広告が、猛烈な勢いでエアコンに吸い込まれているではないか。

■「羨ましい」「走行エリア的に当然」

こちらの光景は人々に衝撃を与えており、Xユーザーからは「そのうち、吊り革もバキュームされそう」「強いエアコン大歓迎」「これ、広告主的にはどうなんだ」「強冷房車か…」「涼しそうで羨ましい」など、驚きの声が相次いでいる。

一方で、東武鉄道の列車の走行区間には群馬県の館林、大田、伊勢崎など、国内屈指の最高気温を記録する地域が含まれているため、「日本で一番暑い館林を走るんだから、当然」といった意見も散見された。

やはり、東武鉄道の電車内は意図的に気温を下げられているのだろうか。今回はその真偽を確かめるべく、「東武鉄道」広報に詳しい話を聞いてみることに…。

■乗客は「ものすごい涼しかった」

ポスト投稿主・しーさいどさんが当該車両に乗車した際の気温は35℃。

乗車時の感想については、「炎天下を歩き回った後に乗った電車なので、相対的にものすごい涼しかった」とのコメントが得られている。

さて、そんな「ものすごい涼しさ」の出所について、東武鉄道は「車両の空調につきましては、カレンダー機能で季節による温度補正や空気ばね内圧による混雑度に対しての温度補正も行なっており、冷房スイッチの投入自体は、その電車の担当乗務員が実施します。しかし、その後は自動で温度を調節してくれる仕組みとなっております」と、説明する。

つまり乗務員による温度の操作は行なっておらず、空調が「ベスト」と判断した温度に調整されているのだ。

■東武鉄道は「イタズラの可能性」指摘

だが果たして、いくら冷房が強かろうと、今回の写真のような状況は起こり得るのだろうか。

こちらの疑問に対し、東武鉄道の担当者は「通常、車内広告が単純に垂れ下がっている状況であれば、空調を強めに入れたとしても、投稿画像のような状況にはなり得ません」と、断定。

その上で「しかし、吸い込み口付近まで広告が近づけば、吸い込む可能性はあるようで、例えば、誰かが通りががる際に、広告を叩くなどのイタズラ行為をした場合、上部の吸い込み口に広告が接近し、吸い込まれるといった事態が起きる可能性は考えられます」とも分析していた。

あくまで推測の域を出ないが、乗客によるイタズラの可能性もゼロではないだろう。

思わぬトラブルというのは、その多くが軽い気持ちのイタズラから起こるもの。心当たりがある人は、公共の場では控えてほしい。