
メジャーリーグサッカー(MLS)のバンクーバー・ホワイトキャップスは今2025シーズン、ウエスタン・カンファレンスで上位争いを続けている。チームは安定した戦績を挙げており、今後の展開に注目が集まっているが、クラブ運営にはいまだ懸念材料が残されているようだ。
カナダのメディア『Vancouver Sun』によると、ブンデスリーガのバイエルン・ミュンヘン一筋でキャリアを築いてきた元ドイツ代表のFWトーマス・ミュラーがホワイトキャップスに加入間近と報じており、現時点でクラブや選手関係者から加入に対する否定的な発言はないようだ。
同メディアは世界中のクラブから注目を集めるレベルの選手であるミュラーが、あえてバンクーバーを選んだことは、クラブの体制に対する一定の信頼の証と考えている。
また、ミュラーとその陣営は移籍に際して事前に徹底的にクラブの調査を行ったと伝えられており、クラブの現状を評価した結果とも読み取れる。
一方で、クラブの売却交渉はいまだ継続中であり、本拠地「BCプレイス・スタジアム」とのリース契約も今シーズン限りで満了する。MLSコミッショナーのドン・ガーバー氏は、オースティンで行われたMLSオールスターゲーム期間中に「ホワイトキャップスの移転計画はない」としつつも、「実行可能なスタジアム計画が存在しない」と発言。
クラブはヘイスティングス・パークでの新スタジアム建設を視野に入れて市や州と協議中だが、実現には相応の時間がかかる見込みのようだ。
世界的なサッカーのデータサイト『Transfermarkt』のマヌエル・フェト氏は、世界中のクラブがミュラー獲得を目指す中で、バンクーバーの都市としての魅力や、クラブのCEOがドイツ出身のアクセル・シュスター氏であったことが移籍の決め手になったのではないかと同メディアで述べた。