福田翔生(湘南ベルマーレ在籍時) 写真:Getty Images

 デンマーク1部ブレンビーIFは2025年夏、日本代表MF鈴木唯人をSCフライブルクへ完全移籍により放出。湘南ベルマーレからFW福田翔生を獲得したほか、筑波大学からU22日本代表FW内野航太郎を迎え入れたが、2選手とフレデリック・バーク監督のコミュニケーションでハプニングがあったという。

 デンマーク『bold』が8月1日に伝えたところによると、バーク監督は7月末に行われた戦術ミーティングでの一幕に言及。「福田と内野に対して説明する際、AIを使ってリアルタイムで翻訳されるように試したが、彼らは困惑していたんだ。試合前、アナリストが対戦相手に関する分析事項を説明していたが、AIが突然“チキンと野菜”について話し始めたんだ。彼らは『一体どんな戦術ミーティングなんだ?』という反応を見せていた。それに『ドイツを征服する』とか、そんな内容も出てきた。歴史の話が混ざったから、完全に混乱していたね」と語ったという。

 また、ブレンビーのキャプテンは日本人選手2名の語学力について、「福田とコミュニケーションをとろうとしている。あと、内野の方が少し英語が話せるので、彼に頼ることもある」と比較した上で、こう語っている。

 「彼らは毎日少しずつよくなっているし、きっと語学学校にも通うことになるだろう。鈴木唯人の時も同じだった。全く異なる環境に身を置くわけだから、慣れるのには時間がかかるものだ」

 『bold』は指揮官やキャプテンのコメントをもとに「福田の語彙力は依然として非常に限定的であり、英語での会話ではあまり内容のあるやり取りはできない状況だ。その言語の壁は、日本人選手の加入により、ブレンビーが乗り越えるべき大きな課題となっている」と、問題点を指摘している。

 デンマークでは鈴木の活躍もあり、日本人選手の獲得を狙う動きが活発に。FCコペンハーゲンは湘南から日本代表DF鈴木淳之介を獲得しているが、湘南OBタリク・エルユヌシの従兄弟であるチームメイトのFWモハメド・エルユヌシは「彼は英語を学ぶ必要がある。僕も彼と話せるように日本語の単語を少し勉強してみたけど、彼自身も他の新加入選手たちのように、(語学学習に)これから取り組まないといけない」と、語学の重要性を説いている。バーク監督をはじめ現地のサッカー関係者が残しているコメントに、デンマークで日本人選手が結果を残すためのヒントが隠されているかもしれない。