私が住んでいる晴海フラッグの近くの部屋が売りに出されているのを不動産会社のチラシで見つけました。新聞に折り込まれたチラシには「新価格」と表示されています(写真)。これは2億6,800万円という現在の表示価格が以前よりも引き下げられたものであることを示しています。
価格を下げたとは言え、まだ新築で販売された時の3倍近くの価格です。
SNSにタワーマンションの価格動向をチェックして投稿しているアカウントを見ると、この物件はこれまで複数回価格を引き下げているようですが、それでもなかなか買い手がつかないようです。
このように価格を改定して引き下げるタワーマンションは晴海フラッグの物件に限りません。
都心6区では直近3カ月で1度でも値下げした物件の割合は37.4%というデータもあります。売り手の強気の姿勢が変化してきていることがわかります。
都心3区のファミリー向けタワーマンションの価格はここ数年で上がり過ぎてしまい、高収入と言われる大手商社勤務者でも手が出ないレベルになっています。
多くの日本人には手の届かない価格水準になって、買い手が減り価格上昇のスピードが徐々に落ちてきています。
その結果流通戸数が積み上がり始め、需給状況が以前とは変わってきています。
マーケット環境が変化する中で短期の転売で利益を狙ういわゆる「転売ヤー」もリスクを恐れて参加者が減ってきていると思われます。
賃貸物件の家賃から利回りを計算すると賃貸利回りは2%台まで下がっています。こうなると買うより借りた方が良いと考える人も増えてきます。
さらに借入金利の上昇も購入をためらう要因になります。
その結果、日本人が脱落して買い手の中心は外国人になっています。
湾岸タワーマンションが暴落することは考えにくいと思いますが、これまでのような過熱したマーケットは終わり、強気の販売価格が見直されていくことになるでしょう。
このような環境下で購入を考えている人は価格について入念に調べ、売り手と交渉して納得できる価格で手に入れるべきです。

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