ヴィッセル神戸 写真:Getty Images

 山東泰山(中国1部)が2024/25シーズンのAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)を途中撤退した問題を巡り、AFC(アジアサッカー連盟)は8月4日、同クラブに対する処分を公式発表。AFC主催大会への出場禁止など複数の処分が科せられているが、依然として山東戦で発生した乱闘騒ぎに関するヴィッセル神戸への罰金処分は解消されていない。

 山東は2025年2月19日に敵地で蔚山HD(韓国1部)と対戦する予定だったが、これを棄権。東地区グループステージ最終節での途中撤退に批判が相次ぐなか、AFCは「競技開始後に競技から撤退する参加クラブは、そのすべての試合がキャンセルされ、無効とみなされる」という大会規則第5条6項に則り、山東の関わる試合をすべて無効に。この結果、3位でフィニッシュの予定だった神戸は5位に転落。ラウンド16での対戦相手がブリーラム・ユナイテッドから光州FCへ変更されている。

 この問題を受けて、7月30日に開催されたAFCの規律倫理委員会では、山東に対して2027/28シーズンまでの2年間にわたりAFC主催大会への出場禁止するという処分、くわえて5万ドル(約740万円)の罰金を科すことが決定している。

 山東に処分を下したAFCだが、神戸への対応では不満が残る。2024年10月2日にノエビアスタジアム神戸で開催された神戸対山東では、選手やスタッフ等による乱闘騒ぎが発生。AFCは神戸に1万ドル(約155万円)、山東に5万6000ドル(約880万円)の罰金処分を下していた。

 しかし、AFCは山東戦が無効となった後も神戸に対する罰金処分を解除せず。「試合開催日から30日以内の支払い」が義務付けられているだけに、神戸はすでにAFCに対して罰金を支払ったとみられるが、罰金処分が解消されていない現状をダブルスタンダードと捉えることも可能であるだけに、AFCへの批判は収まっていない。