パリの中心を東西に流れるセーヌ川は、この街のシンボルの一つ。2024年夏に開催されたパリオリンピック・パラリンピックではこのセーヌ川が開会式会場となり、参加国選手団が観光船に乗って川を下った。

そんなセーヌ川には、”ペニッシュ”と呼ばれる船が多く係留されている。小さなものは住居用で、ここに住んでいるパリジャンが少なからずいるのだ。大きなものはレストランとして利用されているものが多く、河岸や橋を歩いていると、人々で賑わうペニッシュレストランを見かけることが多い。

ブーローニュの森の一隅、セーヌ川に浮かぶペニッシュレストラン&プール

6月に誕生したばかりの「ラ・マリナ・レ・マクロー」も、そんなペニッシュレストランの一つだ。場所は、パリ西部に広がるパリジャンの憩いの場である広大なブーローニュの森を抜けた川辺。パリ中心部に比べてのんびりのどかな雰囲気で、セーヌの川幅も広い。

大きな船の上階がレストラン。前後にデッキを備えており、屋外でも食事を楽しめる。魚介類が自慢で、おすすめはブルターニュ地方で養殖される牡蠣や茹で海老、茹でつぶ貝などを盛り合わせた海の幸。ゆっくりと流れてゆくセーヌ川を眺めながら、キンと冷えた白ワインを相方に頬張る海の幸のおいしさは格別だ。

船内のレストランには陽光が降り注ぐ

アペリティフのつまみには、イカフライ&タルタルソースや、カリッと焼いた田舎パンにタラマを乗せたもの、ワカモレを添えたタイのカルパッチョなどがぴったり。メイン料理の一番人気は、タラのフィッシュ&チップス。フランス人が大好きな牛ハラミ肉のステーキやシーザーサラダ、タイ風マグロのタルタルなどもおいしそうだ。

ワインはもちろん、様々な風味のスプリッツ、マルガリータやウィスキーサワーなどのカクテルも充実している。

ペニッシュレストランとして十分素敵な店だが、「ラ・マリナ・レ・マクロー」には特別な魅力がある。本船に付随してプールがあるのだ。小さめとはいえ水遊びには十分。プールサイドにはデッキチェアやバーが設置され、セーヌ川やブーローニュの森を眺めながらプールを楽しんだ後は、デッキチェアに寝そべって日光浴をし、ほてった体をカクテルで冷やす。