高岡伶颯 写真:Getty Images

 日章学園高校卒のU19日本代表FW高岡伶颯は、Jリーグを経由せず海外移籍した選手として注目を浴びていたが、日本代表DF菅原由勢やMF松木玖生ら擁するサウサンプトンでトップチーム昇格とはならず。フランス3部ヴァランシエンヌFCへ期限付き移籍する見込みだが、日本国外ではJリーグでのプレーを勧める声が挙がっている。

 現在19歳の高岡は、高校1年時から全国高校サッカー選手権の舞台に立ったほか、2023年開催のFIFA U17ワールドカップで4ゴールを挙げると、翌2024年には飛び級でU19日本代表に選出。世代屈指のストライカーとして評価され、2024年6月にサウサンプトンへの加入が内定していた。

 高校卒業後にサウサンプトンのU21チームへ合流したが、2024/25シーズンにトップチームの公式戦で一度もベンチ入りせず。2025年夏のプレシーズントレーニングでもトップチームに帯同していなかった。そんななか、現地メディア『ジャスト・セインツ』は29日に「高岡はヴァランシエンヌFCのリザーブチームでトレーニングを行っている。レンタル移籍の発表が控えている」と報道。フランス3部所属クラブへの移籍となれば、欧州におけるキャリアが失敗に終わる可能性も考えられるところだ。

 日本人選手の情報に詳しい海外メディア『Jリーグインサイダー』は8月1日、高岡のフランス3部移籍報道を紹介した上で、「Jリーグクラブへ期限付き移籍すべきだ。慣れ親しんだ環境で、もっと落ち着いて高いレベルでプレー可能だ」と指摘。「フランス3部を軽視するつもりはない」としつつも、同選手の今後の可能性を踏まえた上で、Jリーグ挑戦を勧めている。

 Jリーグクラブでプレーしないまま、海外へ渡る日本人選手は増加傾向にあるが、新天地でステップアップできないケースも見受けられる。この問題はテレビ静岡の公式YouTubeチャンネルで7月29日に公開された『サカろう』でクローズアップされたが、出演者の清水エスパルス反町康治GM(ゼネラルマネージャー)は、「最終的にはパーソナリティかなと思っています」と私見を披露。「(仮に)松木が(Jリーグクラブを経由せずに海外へ)行ったとしても、あいつはすごいハート強い。松木のような選手はどこへ行ってものし上がっていく力あると思います」と語っていた。フランス3部の下部組織で頭角を現したとしても、欧州5大リーグ所属クラブから評価される可能性は低い。高岡が厳しい現実に直面している。