家の中では大人しいネコも、一歩外に出たとたん、冷酷な殺し屋の一面を発揮します。

目についた小鳥や小動物は何でも殺してしまいますし、すぐに殺さずにいたぶることもあります。

英リバプール大学(University of Liverpool)とリバプール・ジョン・ムーア大学(LJMU)による2021年の研究で、すべてのネコは少なからず何らかのサイコパス的傾向を持っている可能性が示されました。

しかし、その冷酷さや無慈悲さには、ネコにより程度の差があるようです。

研究の詳細は2021年11月10日付けで学術誌『Journal of Research in Personality』に掲載されました。

 

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  • サイコパスにも程度の差がある

サイコパスにも程度の差がある

すべてのネコはサイコパス?
すべてのネコはサイコパス? / Credit: jp.depositphotos

研究チームは、ネコのサイコパス度を評価する診断ツールを構築するため、2042名の飼い主とその愛猫を対象とした調査を行いました。

作成されたのは、「CAT-Tri+」と呼ばれるアンケートです。

このアンケートには46の質問が含まれており、飼い主は、それぞれの質問が自分のペットにどれだけ当てはまるかを評価します。

研究主任のレベッカ・エヴァンス(Rebecca Evans)氏は、こう述べます。

「本研究では、飼いネコのサイコパス度を測定する質問票を開発しました。

質問票は、飼い主が提供した愛猫の行動例を用いて、サイコパスの三層モデル(大胆さ、冷酷さ、抑制のなさ)に基づいて作成されています。

最終的には、ネコのサイコパスに関連する5つの因子(大胆さ、冷酷さ、攻撃抑制度、ペット嫌い、人間嫌い)が評価されました」

大胆さは「社会的優位性や恐怖心のなさ」、冷酷さは「共感性の欠如や冷酷な攻撃性」、抑制のなさは「行動抑制の欠如」の指標となります。

飼い主が評価しなければならない質問には、以下のようなものが設けられました。