金融口座も乗っ取られる?現実味を帯びるサイバー攻撃の脅威

 専門家が本当に恐れているのは、この能力が悪用された未来だ。もしAIが人間であることを証明する認証を自在に突破できるなら、SNSや金融機関の口座、プライベートなデータベースといった、より高度なセキュリティシステムに侵入することも不可能ではない。人間の許可など、もはや必要なくなるのだ。

 元AI倫理責任者のルーマン・チョウドリー氏は、「自律的に行動し、大規模に動作し、人間のためのゲートを通り抜けるエージェントは、信じられないほど強力であると同時に、信じられないほど危険な存在になりうる」と警鐘を鳴らす。このまま進化が続けば、国家安全保障を脅かす深刻なリスクに発展しかねない。

 現在、OpenAIのChatGPTエージェントはまだ実験段階にあり、サンドボックスと呼ばれる隔離された環境で動作している。フォームの送信やオンライン注文など、現実世界に影響を与える行動を起こす前には人間の許可が必要だ。

 しかし、AIが安全対策の進化をはるかに上回るスピードで進化し続けているのも、また事実である。「5年後、彼らは何をするだろうか?」という問いに、我々はまだ答えを持たない。

参考:Daily Mail Online、ほか

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