清水エスパルス 写真:Getty Images

 日本代表DF高井幸大(トッテナム)やFW山田新(セルティック)など、日本人選手によるJリーグからの海外挑戦は2025年夏の移籍ウィンドウでも相次いでいるが、依然として全体的な移籍金の安さが問題視されている。この現状に海外メディアが関心を寄せているほか、清水エスパルスやジェフユナイテッド千葉OBであるエディ・ボスナー氏も私見を述べている。

 英紙『ガーディアン』は7月30日、日本人選手による欧州移籍を特集。川崎フロンターレからトッテナムへ移籍した高井の移籍金500万ポンド(約10億円)を「安価だ」とした上で、「日本では、クラブが選手の才能を過小評価しているのではないかという議論がある」と日本サッカー界の現状をリポート。「選手の活躍が増すにつれて、移籍金は確実にアップするだろう」としつつも、「Jリーグクラブには、若手選手の育成に尽力しているという印象を与えたいという思惑がある」「自チームの選手を国内のライバルクラブへ放出するのではなく、優秀な選手をトッテナムやセルティックに移籍させることを望んでいる」と見解を示している。

 この問題には、エバートン在籍歴があるボスナー氏も関心を寄せている模様。現在、オーストラリア1部ウェスタン・シドニー・ワンダラーズのスカウト責任者である同氏は、「日本人選手はテクニック面で優れているだけではない。俊敏で、常に耳を傾け、学ぶ姿勢を持っている。2000年から2005年にかけてオーストラリア人選手が欧州で活躍していたが、今では日本人選手が成長を遂げ、オーストラリアよりも先を進んでいる」と評した上で、こう語っている。

 「(日本人選手の欧州移籍は)長期的に見て日本サッカーにとって良いことなので、Jリーグクラブは選手にヨーロッパに行くチャンスを与えたいと考えている。そして2度目の移籍を待つ。移籍すると、その後に売却条項(セルオン条項)が適用されるからだ」