フランスのアラブ系美人政治家として知られるラシダ・ダティ文化相が、日産とルノーの統括会社から顧問料90万ユーロ(約1億5000万円)を受け取ったことが賄賂に当たるとしてカルロス・ゴーンとともに刑事訴追された。

ラシダ・ダティ文化相とカルロス・ゴーン氏 Wikipediaより
しかし、今のところ閣僚を辞任する気配はないし、来年のパリ市長選挙にも立候補するつもりらしい。なにしろ有罪が判決が下るまでは拘束もされないし公職も逐われないのがフランス流だ日本のように99%措置されたら有罪になるという。前近代国家とは違う。
ダティは父がモロッコ出身、母はアルジェリア出身の二世で父はレンガ職人。働きながら学び、民間企業で働いたあと、、国立司法学院(Ecole Nationale de la magistrature)に入学し、法曹の世界に入る。

ラシダ・ダティ文化相
2002年にサルコジ内相の官房補佐官、2007年のサルコジ大統領誕生の時に広報官として注目され司法大臣となった。2009年にパリ16区の名門産院であるクリニーク・ド・ラ・ミュエットで未婚の母となったが、父親を聞かれて、『私の私生活はとても複雑だ』といったのも話題になった。ただし、のちに裁判で実業家のドミニク・デセイニュが父親と判明した。
その後、パリ第七区長、欧州議会議員となったが、このころ、ゴーン被告は2010~12年、EU議会議員だった弁護士のダチ氏に対し、日産と仏自動車大手ルノーが設立した統括会社から顧問料90万ユーロ(約1億5000万円)を支払った。ダチ氏に顧問としての活動実態はなく、欧州議会での違法なロビー活動の対価だったと検察は言っている。
ダティ文化相は先日のマクロン訪英にも同行して晩餐会ではチャールズ国王の隣に座っていた。キャサリン妃、マクロン大統領、チャールズ国王、ダチ文化相の順で並んでいたのがうつっている。
ちなみに、ゴーンは生まれたときからレバノンとブラジルの二重国籍でフランスで学んだが国籍をとって三重国籍になったのはルノー入社のとき。レバノンから出国しないだろうが、フランスに入国しても留置所に入れて家族にも会わさないなどという野蛮なことはせず優雅に暮らせるはず。