コンビニやファストフード店、コーヒーショップなど、店舗数の多い企業は少ない企業よりも価格を高く設定することがよくあります。

皆さんも、全国展開している有名チェーン店のコーヒーの方が、地元の小さな喫茶店のコーヒーよりも値段が高いと感じたことがあるかもしれません。

しかし実は、こうした店舗数の多い企業が競合他社よりも価格を高く設定できるメカニズムは不明でした。

そんな中、名古屋大学の研究が、そのメカニズムの一端を説明しています。

それによると、店舗数の多さから来る「遭遇のしやすさ」が、値段を高くしても消費者が逃げないことと関係していたようです。

一体どういうことでしょうか?

研究の詳細は2024年3月29日付で学術誌『International Economic Review』に掲載されています。

目次

  • 店舗数を増やすと普通は「値段が下がる」?
  • 値段を高くできるのは「遭遇しやすさ」が鍵だった

店舗数を増やすと普通は「値段が下がる」?

街中を歩いていると、「あのチェーン店あっちにもこっちにもあるな」と思うことは多々あるでしょう。

世界的に有名なファストフード店やコンビニエンスストア、コーヒーショップや日本固有のフードチェーン店、それから他の企業を圧倒する数の自動販売機を設置している清涼飲料、ある地域に集中的に存在するタクシーなどがその例に当たります。

数も多いですし、安心感があるので、こうしたチェーン店やサービスを利用する機会は多いと思います。

しかしたまの気分転換で、小規模な店に行くとあることに気づきはしないでしょうか?

「あれ?いつも行ってる有名チェーンのハンバーガーより、マイナーな店のハンバーガーの方が値段の割に量が多いぞ」

「いつも街で拾うタクシーの初乗り運賃って、実は小規模なタクシー会社より高いんだな」

「よく見かける自販機の値段も、たまに見かける自販機の値段より強気な価格設定になってる」