第二章:暴かれた「証拠」の嘘

 長らく闇に葬られていた監視カメラ映像。しかし、事態は2025年に急展開を迎える。司法省は突如、エプスタインの独房外の映像を「未編集のフル映像」として公開したのだ。だが、この「公式の証拠」こそが、さらなる疑惑を呼び込むことになる。

『WIRED』がこの映像データを詳細に解析した結果、衝撃の事実が判明した。映像には約2分53秒分の欠落があり、しかもそれは意図的に編集された痕跡があったのだ。

 公開された映像は、二つの別々の録画ファイルを映像編集ソフトで繋ぎ合わせたもので、メタデータには大手編集ソフト「Adobe Premiere Pro」で複数回にわたり編集・保存された履歴が残っていた。司法省が「未編集」と主張した映像は、明らかに何者かの手によって加工されていたのである。

 この事実は、政府の発表に対する不信感を決定的なものにした。「一体、その消された約3分間に何が映っていたのか?」「なぜ当局は嘘をついてまで映像を編集する必要があったのか?」という疑問が噴出。証拠隠滅を疑う声は、もはや陰謀論者の戯言とは言えない状況となった。

 看守の怠慢、カメラの故障、そして編集された映像――。エプスタインの死が「ただの自殺」でないことを示す状況証拠は、もはや無視できないレベルに達している。

 では、一体「誰が」、そして「何のために」、彼の死を演出し、証拠を改ざんする必要があったのか?

 その答えの鍵は、彼と繋がっていた権力者たちのリスト、FBIの不可解な動き、そしてエプスタインという男自身の謎に包まれた正体に隠されている。ここから先は、事件のさらに深い闇、政界と諜報機関が絡み合う巨大な陰謀の核心に迫っていく。

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文=S.E.Gray

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