加えて、仰向けになって弱点のお腹を見せることも大きな愛情表現の1つです。
では、これまでに紹介してきたサインが確認できなかった場合、飼い主はネコから愛されていないことになるのでしょうか?
そうとも言い切れません。次項では、私たちが気づきにくいネコの愛情表現について解説します。
私たちが気づきにくい猫の愛情表現とは?

ネコの尻尾の形は、飼い主への愛情を確認するのに役立ちます。
相手に対して友好的な意思を示したいとき、ネコは尻尾を直立させるのです。
人間同士が手を挙げて挨拶するときのように、ネコも尻尾を立てるのでしょう。
飼い主に対しては、甘えたいときにも同様に尻尾を直立させます。
また尻尾が「クエスチョンマーク”?”」のような形になっているときも、「構ってほしい」「一緒に遊びたい」という意思の表れです。
最後に、飼い主が特に気づきにくいネコの愛情表現をご紹介します。
それは、ネコの「まばたき」です。

2020年のイギリス・サセックス大学(University of Sussex)に所属するタスミン・ハンフリー氏ら研究チームによる研究では、ネコのゆっくりとしたまばたきがポジティブな感情(信頼・愛情・満足)と関連していると報告されました。
実際、ネコたちは見知らぬ人間や他のネコに出会うと、まばたきをせず、見つめて挨拶するのだとか。
対照的に、仲の良いネコに対してはゆっくりとまばたきして挨拶するようです。
この独特なコミュニケーションは、人間が近づくのを嫌うネコと絆を深めるのに役立つでしょう。
実験でも、ネコに対して飼い主がゆっくりとまばたきすると、ネコの方もゆっくりとまばたきしたり目を細めたりするなど、友好的な反応がありました。