■レジ担当者の52%が「嫌な思い」
――「STAFF」統一に至るまで、従業員からの要望もあったのでしょうか。
昨年実施した従業員への「カスハラの実態調査」では、全体の36%の従業員がこれまでに理不尽な暴言や叱責、大声で怒鳴られる等のカスハラを受けたことがあると回答しました。
さらに、「名札があることで嫌な思いをしたことがあるか?」の設問には、全体の23.6%が「ある」と回答し、とくにレジを担当している責任者の52%が「ある」と回答しています。
従業員の半数以上の方が「店内にカスハラ対策ポスターの掲示」と「名札の名前非表示」を望んでいる回答となったことを受けて、「カスハラ対策」として「STAFF」で統一することを取り入れました。
■名札統一後は「精神的負担の軽減を実感」
――実際に廃止にしたことで、従業員からはどのような声がありましたか?
10店舗で先行導入した結果、従業員の97%が「この取り組みを支持する」と回答しました(2025年2月・社内調査、回答数:973名)。
また、レジ部門の67%、従業員全体の57%が「精神的負担の軽減を実感した」と回答し、「批判的な指摘があった」との回答は 2%にとどまっています。
――廃止することで、従業員の安全が守られるのは素晴らしいと思う一方で、ネット上ではニックネームや社内だけで通じる番号や偽名は表記したほうがいいのではないかとの意見も見られます。こういった場合(トラブル時など)は、どのような対応をされているのでしょうか。
担当者:店舗においては店長が直接お客様とお話をさせていただき、貴重なご意見としておうかがいさせていただております。
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「STAFF」統一の背景には、くわばたさんが予想した通り、深刻な“カスハラ”問題がありました。従業員が安心して働ける環境が全国に増えていくといいですね。
■該当部分は20:00頃~
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(取材・文/Sirabee 編集部・長谷川 瞳)