バルセロナ 写真:Getty Images

 バルセロナは23日、プロモーターによる重大な契約違反のため、27日に予定していたヴィッセル神戸との親善試合を中止すると公式発表。背景に、スタッド・ランスやレアル・ソシエダのスポンサーでもある『株式会社ヤスダグループ』の費用未払いの可能性があるという。

 バルセロナのアジアツアーを主催する韓国『D-DRIVE』のソウル・ハム氏は、神戸対バルセロナのマッチメイクの背景として「レアル・ソシエダのスポンサーとなっているヤスダグループが提案してきて日本で共催となる予定でした」と説明。「D-DRIVE社は今日までに完全に費用を受け取る予定でしたが全く届きませんでした」と、ヤスダグループの費用未払いを主張した上で、同社をこう批判している。

 「ヤスダグループは繰り返し、有効でない虚偽の書類を提出してきて既に支払いをして韓国に届いていると主張してきました。我々はヤスダグループのCEOが支払いを完了していないことを認める音声データを入手しました」

 その上で、D-DRIVE社はヤスダグループによる一連の行為を「詐欺」と非難。「楽天のイメージも大きく損なわた」として、「我々は日本側の責任ある団体に対して法的措置を取る予定です」としている。

 なお、バルセロナは7月31日にFCソウル、8月4日に大邱FCと対戦する予定だが、韓国開催の2試合に関して、D-DRIVE社は「残りのツアーを必ず成功させる決意です」などと、開催に向けて尽力する方針を打ち出している。

 日本開催が幻となった一戦の舞台裏には、国際ビジネスの不透明さと信頼の崩壊が色濃く映し出されている。今後の法的対応とツアーの行方からも目が離せない。