それを受け、28カ国の外相は21日、パレスチナ自治区ガザ情勢を巡るイスラエルの対応を非難する共同声明を発表した。
イスラエル外務省は「停戦合意を破っているのはイスラム過激派テロ組織ハマスだ。ガザ紛争の責任はハマスにある」とこれまでの立場を繰り返し、イスラエル非難の共同声明に強く反発している。
ただし、イスラエル軍が5月、パレスチナ自治区ジェニンの難民キャンプを視察していた日本などの外交団に「警告射撃」を行うなど、イスラエル軍の過剰な軍事活動に欧米諸国で批判の声が日増しに高まっている。これまでほぼ無条件でイスラエルを支持してきたドイツのメルツ首相も「イスラエル軍のガザでの軍事活動は容認できない」と批判している。
イスラエルとパレスチナ間の中東紛争問題では、バチカンは部外者ではない。例えば、エルサレムはユダヤ教とイスラム教にとって「聖地」だが、キリスト教にとっても同じだ。すなわち、「エルサレムの地位」問題があるのだ。
バチカン市国は、中東和平の具体的な和平案を公式には発表したことはないが、バチカンの立場は、イスラエルとパレスチナの二国家共存を支持し、両者が平和的に共存できるような解決策を模索、そしてエルサレムの地位や、入植地の問題など、複雑な問題を対話を通じて解決していくというスタンスだ。レオ14世のアッバース大統領とネタニヤフ首相との電話会談は、米国出身の新教皇の中東外交の始め、と受け取られている。

レオ14世インスタグラムより
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年7月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。